大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第三小法廷 昭和28(あ)922 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人梅山実明の上告趣意は憲法違反を主張するけれどもかゝる主張は原審にお

いて、主張も判断もされなかつた不適法な主張であるばかりでなく、憲法三七条の

公平な裁判所の裁判とは、偏頗や不公平のおそれのない組織と構成をもつた裁判所

による裁判を意味するのであつて、個々の事件につきその内容実質が具体的に公正

妥当なる裁判を指すものではないこと、及び裁判が迅速を欠いたとしても、それは

判決に影響を及ぼさないことが明らかであるから、上告の理由とすることができな

いことは当裁判所の判例とするところである(昭和二二年(れ)第四八号、同二三

年五月二六日大法廷判決、昭和二三年(れ)第一〇七一号、同年一二月二二日大法

廷判決参照)。従つて、右の主張はその理由のないこと明らかである。その余の主

張は単なる量刑不当の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。また記

録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとお

り決定する。

昭和二九年九月一四日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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